海外ではブランド店を利用する人がそれほど多くありません。全身を同じブランドでコーディネートすることも少ないです。日本人はブランド店に入る時は必ずその店のブランド品を身につけるなど、ブランドに強いこだわりがあります。日本人がブランド品を愛用する理由は国民性にあります。
日本人は協調性を重んじる部分があるため、皆と同じような振る舞いをします。ブランド品はその価値が既に知られているので、身につけることで皆と同じでありたいという欲求が満たされます。一人だけ持っていないと、そのネットワークから孤立したような気分になり、食費を削ってでも購入して周りと足並みを揃えます。また日本人は豪華一点主義の傾向が強いです。
これがファッションだけでなくライフスタイル全般にいえます。世界では日常で必要な物は、自分の収入の中で購入します。しかし日本人は家や車でもローンを組んでまで、高級で性能の高いものを選びます。同じようにブランド品も、経済的な余裕はなくても品質の良い物は長持ちするとして、思い切って価格の高いバッグや衣服を購入します。
さらにマスコミの影響で、明治以降から続く西洋崇拝がブランド品購入を促進しています。かつての日本は西洋に文化や政治など様々な点で遅れていました。明治時代から西洋に追いつくことが目標でしたが、経済的に豊かになり技術力のある現在の日本は西洋を見本にする必要はありません。しかしメディアの風潮として、海外のブランドがステータスになっています。